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Vol.323区初!圧倒的なスピードで「“第二子保育料”無料」にふみきった港区の推進力に迫る

4月から開始した「子ども・子育て支援新制度」。これにあわせて各自治体では大幅な制度や保育料の改正がありました。今回は、23区で初めて、第二子の保育料無料化に踏み切った港区さんにお話を伺ってきました。他の自治体よりも圧倒的に早く改定料金が発表された、驚くべき理由とは・・・?

今年4月から開始した「子ども・子育て支援新制度」では、各自治体が独自に「子ども・子育て支援事業計画」を策定し、子どもを生み・育てやすい環境づくりのための計画を定めることを義務づけています。

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今回お話を伺った港区では、新制度を踏まえた保育園保育料の改正の目玉として、23区で初めて「第二子以降の保育料全額無料化」に踏み切りました。

この制度により、区内の保育施設に子どもをあずける港区の家庭は、第二子以降の保育料が無料となります。驚くべきことに、その発表がされたのは昨年11月のこと。新制度開始直前(今年2月頃〜)になって各自治体がようやく少しずつ新保育料を発表する中、港区はいち早く第二子無料化と新制度開始後の改定料金を発表していたのです。

その推進力の秘訣を探るため、社会保障.comでは、港区の新制度に伴う改定内容に詳しい、港区保育担当課長の横尾恵理子さんにお話を伺ってきました。

23区初の試み、「“第二子以降保育料”無料化」をいち早く港区が発表した理由とは?

    「第二子以降保育料無料化」の概要
    港区民で、認可保育園や緊急暫定保育施設、認証保育所、幼稚園などに兄や姉が在園する場合、二人目以降の保育園保育料が無料となる制度。

    対称となる保育施設:
  • 区立認可保育園
  • 私立認可保育園
  • 緊急暫定保育施設
    緊急的に設置された保育室。港区が独自で設置している。無認可だが、認可と同じ基準・同じ保育料で運営されている
  • 認証保育所(認可を申し込んでいる家庭のみ対象)
    現在の認可保育所だけでは応えきれていない大都市のニーズに対応するため東京都が独自に基準を設定し、その基準をクリアした保育所のこと。保育料は認証保育所が一定条件を満たす範囲内で独自に設定するため、認可保育所より高くなることがある。
    ※第一子についても認可保育園と同額の負担になるように本年度から補助あり
  • 区立幼稚園

─第二子無料化に踏み切った理由は?

港区ではこれまでも「子育てするなら港区」というスローガンを掲げ、子育て支援に力を入れてきました。
背景には、子どもの数が増えてきたということがあります。例えば港区の芝浦港南地域には大規模マンションが続々建設されています。そこにファミリー世帯が入ってきたことで、近年、子どもの数が急増しているのです。

そのような状況の中で、区内の認可保育園に通っている子どもはおよそ4,500人いますが、第二子以降はその約16%の700人にとどまっているということがわかりました。
そこで、二人目以降を望む方が安心して子どもを生み育てやすい環境を整備するために、今回の無料化にふみきりました。

─実現する上で、どのような点に苦労しましたか?

改定までの期間が非常に短かったことです。
新しい施策の内容決定から、区民の方への発表、説明までを1年に満たない短い期間で行わなければなりませんでした。スピーディな改正を実現するために、全庁横断的な検討組織である「港区子育て支援推進会議」を中心として、保育料の見直しについて検討を重ねてきました。

たとえば…

  • 第二子無料を行うことによって他の政策に影響はないか
  • 財政的な負担はどうなる など

保育料の見直しは、今年4月から開始した子ども・子育て支援新制度の制度内容を踏まえて改正しなければならないこともあり、新制度に関する国からの情報を少しずつつかみながら内容を詰めていく作業のくりかえしでした。短い期間で改正をおこなうには、非常に厳しい状況だったと感じます。

─たしかに、他の自治体よりずいぶん早く発表されていましたよね。

保育料を変えるには、区議会を通し、そこで可決を得、条例を改正するという手続きをふまなければなりません。区議会の定例会は基本的に年4回開催され、翌年度の保育園の募集期間中に保育料を発表するには、前年の11~12月頃に開催される「平成26年第4回定例会」に間に合わせる必要がありました。これに間に合わせるべく全庁で総力をあげて取り組んだ結果、「平成26年第4回定例会」で条例改正の承認が可決され、1月の中〜下旬から区内各地区に職員が出向いて区民説明会を実施することができたのです。

他の自治体では、新制度開始直前の2月頃に開催される「平成27年第1回定例会」で条例改正を行ったところが多かったようです。

─どうしてそこまでして早くすることにこだわったのですか?

今回、「子ども・子育て支援新制度」の開始に伴って、保育料自体を標準の時間と短時間に分けて区分しなければならなかったので、どの自治体もすべからく保育料を改定する必要がありました。
しかし、通常、翌年度の保育園の募集をはじめるのが前年の11月頃で、その申込を締め切るのが1月中旬頃であるため、その期間内に翌年度の保育料がどうなるのか分かっていたほうが保護者の方にとっていいだろうと考えました。そのためには、平成27年第1回定例会では遅かったので、そのひとつ前の平成26年第4回定例会に間に合わせる必要があったためです。

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