新制度では、「地域型保育」が順次、認可保育所となります。
こうした地域型保育に補助金を出して運営の後押しをすることで、大規模施設を新設する場所のない都市部や、子どもが減少する地方での待機児童の受け皿を増やすことを狙いとしています。しかしここにも見逃せないポイントが。
通常、認可保育所では、学校や幼稚園と同様、「災害共済給付制度」という公的保険に子どもを加入させることになっていますが、今回の新制度開始にあたり関連法(日本スポーツ振興センター法)の改正が間に合わず、子どもの負傷・死亡事故が起きても十分な補償が受けられない状態となっています。現在、これに代わる救済策はありません。
どうして改正が遅れているのか。 災害共済給付制度を管轄する文部科学省と、保育所を管轄する厚生労働省はこのように説明しています「事故が多ければ掛け金が上がる。事故率を見なければならない」
厚生労働省の発表した資料によると、負傷事故についての割合は認可・認可外で差はありませんが、死亡については差が大きいことから、同省は4月以降の状況も見極めて判断をするとしています。 ただこちらの資料には、保育時間や年齢別の在籍人数についてのデータは記載されていません。そのため認可保育所が満たせないニーズを認可外の保育園がカバーしており、認可外のほうが受け入れ年齢が早い点、土曜や休日の保育により対応時間が長い点などが考慮されていないので、正確な数値とは言えないでしょう。
ただでさえ情報の少ない保育活動中の大きな制度の変化、そこにさらに制度上の問題も加わり、開始早々混沌とする新制度。
国や自治体には、本来の目的である「子ども・子育て支援」が名実共に支援の後押しとなるよう頑張っていただきたいところですが、利用者側でも混乱を回避し、今ある制度をあまねく活用するために、賢く情報を収集していきましょう。
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